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ビンテージ



2010年
6月の開花期に雨が多く気温が低かったことが主な原因となって、2010年の収量は少量に留まりました。しかしその反面、ブドウの粒に大きな隙間ができて、夏の終わりに降る雨に対する抵抗力が強くなりました。その結果、ブドウの健康状態がかなり長く維持できたのです。ブドウは小粒で香りの強いものになりました。雨が降ってもそれには変わりはありませんでした。おかげでブドウの品質は良好です。
ブドウの成熟がかなり進んだ9月末になって、気温が温かく湿気の高い時期が頻繁にあったため、ブドウの一部が割れたこともあり、ボトリティス菌がかなりのペースで広がりました。そのため、この時点で一旦腐ったブドウだけを完全に除去しました。
この作業をしたおかげで、残りのブドウはその後も長いこと健康を保ち、ブドウ収穫の時期には理想的な乾燥した天候が続いたのです。ブドウの粒の中の果汁がどんどん濃縮されていったため、収穫を急ぐ必要はありませんでした。収穫が終わったのは11月のはじめです。このような状況の結果として、最高の品質が得られた反面、収量は極めて少なくなりました。収穫できたのは、平年より30%あまり少ない量でした。
2010年のワインは、香りの強いフルーティさが口の中に広がります。心地よいミネラリティの長い余韻がワインに緊張感を与えます。また、天候条件により自然に収量が減ったせいで、乾燥エキス濃度が高くなっています。

ベストワイン:
ハーレンベルク・リースリング・アイスワイン/ゴールドカプセル(ゴーミヨ:98ポイント)
ハーレンベルク・リースリング「グローセスゲヴェクス」(ロバート・パーカー:95ポイント)
フリューリングスプレッツヒェン・リースリング・アウスレーゼ(ロバート・パーカー:95ポイント)

 

2009年
2009年も4月が温かかったため、萌芽がかなり早く、ブドウの生育はすこぶる順調でした。6月には開花期の天候が低温で雨も多かったため、果実のつきが悪く、粒に隙間の多い房になりました。そのため、夏は温度が高く雨も多かったにもかかわらず、早い時期にブドウが腐ってしまう危険は少なく、また、収量を抑えるための対策を行う必要もほとんどありませんでした。

本格的な収穫が始まったのは10月12日で、健康状態の良い最高のブドウを採ることができました。一番下のランクのものでさえ成熟度の高い果実で、また乾燥した天候が続いたおかげで、今年もトロッケンベーレンアウスレーゼの選別を行うことができました。酸の値は、収穫最終日(10月26日)まで常に最適の状態でした。ようするに、今年のビンテージはまさに思い通りの出来映えというわけです。
出来上がったワインはフルーティでバランスが良く、2007年にも似ていますが、今年の方がほんの少し繊細かも。

ベストワイン:
ハーレンベルク・リースリング・トロッケンベーレンアウスレーゼ(ロバート・パーカーおよびゴーミヨ:98ポイント)
ハーレンベルク・リースリング「グローセスゲヴェクス」(アイヘルマン:96ポイント)
“Auf der Lay”リースリング(Wein-Plus:97+ポイント)

 

2008年
2008年には五月が例年になく好天だったためにブドウの発育が大きく進み、やはり快適な天候が続いた6月の半ばには開花期がすでに修了していました。そして、典型的なドイツの夏が訪れ、ブドウにとっては理想的な気候となりました。夏日が続き、猛暑日も何日かはありましたが、ほどよく雨も降って、ブドウにとっては快適極まりない天候条件で、発育もすこぶる順調でした。
いつもと違ったのは、成熟過程が長引いたことです。9月から10月にかけての気温がかなり低かったことから、特にリースリングならではの酸味がよく維持されたため、収穫期を遅らせる必要が出てきました。実際の収穫も、リースリングで本格的に始まったのは10月17日になってからです。ブドウは香りが良く、そのほとんどがとても良好な状態でした。アイスワイン用に12月30日まで畑に残しておいたブドウでさえも、ほとんどボトリティス菌(貴腐)はついていませんでした。したがって、貴腐アウスレーゼは希少品となっています。
まだ若い2008年の新酒は、とても明快なストラクチャを感じさせます。際立ったミネラリティ、精細な果実味、素晴らしいエレガンスなどがその特色です。しかし、アルコール含有量はいくらか控えめで、呑みやすくなっています。2002年ものと共通点があることは否定できません。当時も同じような天候条件が重なって、新酒の特徴が今年のものと似ていました。その後、今も順調に成熟が進んでいます。

ベストワイン:
ハーレンベルク・リースリング・アイスワイン/ゴールドカプセル(ゴーミヨ:97ポイント/ベスト貴腐白ワイン)
フリューリングスプレッツヒェン・リースリング・シュペートレーゼ(ロバート・パーカー:95ポイント)
ハーレンベルク・リースリング「グローセスゲヴェクス」(ロバート・パーカー:94ポイント)

 

2007年
  ドイツでは2007年4月の天候を覚えている人も多いと思います。半ズボン・裸足で庭にでたり、連日ブドウ畑で日光浴ができる程の季節外れの暖かさでした。ブドウの萌芽も早く、極めて早い時期に開花したブドウの成長状態は平年に比べ3週間も進んでいました。そのような状況の中、夏が前年のような猛暑とならなかったことに私たちは胸をなで下ろしたのです。もし暑い夏となっていたら成長が進みすぎて9月にはリースリングの収穫を始めなくてはならなかったでしょう。
  しかし実際には9月までに、それまで進みすぎていた成長が次第に例年の水準に戻ってゆきました。その結果生育期間が大幅に長引いて、ワイン栽培の北限に近い地方ならではの特徴が活きてくることになります。ブドウの成熟がゆっくりと進行することによって、深い味と香りが生まれるのです。その味わいはアメリカ産のリースリングには決してありません。さらにリースリング独特の酸味がより長く保たれるという長所もあります。
  リースリングの収穫開始は10月10日。ブドウは黄金色に輝き、健康状態も良好でした。そのおかげで、それぞれ望ましい成熟度に達するまで落ち着いて収穫のタイミングを待つことができ、最後にはアイスワインを12月21日に収穫することができました。
  2007年のワインはエレガントで、フルーティさが前面に押し出され、その強烈なミネラル性に息を呑みます。

ベストワイン:
ハーレンベルク・リースリング「グローセスゲヴェクス」(ゴーミヨ:94ポイント)
ハーレンベルク・リースリング「R」(ゴーミヨ:92ポイント/ベストハーフドライリースリング)
フリューリングスプレッツヒェン・リースリング・アイスワイン(ゴーミヨ:92ポイント)

 

2006年
  2006年の夏は例年になく暑く、乾燥した夏でした。ブドウの成長が急速に進み、あまりに乾燥しているので私たちがブドウのことをちょうど心配し始めた頃、8月がやってきました。そしてその8月は例年になく寒い、湿った月となったのです。信じられないことでしたが、我々にとっては願ったり適ったり。水まきの心配をする必要がなくなった上に、すでにかなり進んでいるブドウの成熟度は維持することができたからです。9月になると天候はまた回復して温度も上がりほとんど雨も降らずに月末を迎え、10月3日にかけて何度か暖かな雨が降った程度でした。有り難いことにその雨量もモンツィンゲンではあまり多くありませんでした。
  悪質の腐敗によりワイン製造には使うことのできないブドウは、熟練した収穫スタッフによりきれいに除去され、健全な貴腐状態のブドウの房と粒だけが今、最高の貴腐ワインになっています。ブドウが完熟するまでの期間が例年になく短かったため、作業は急を要しました。またボトリティス菌(貴腐菌)の急速な繁殖によりモスト比重が日に日に増加したのと並行して、収量はさらに速い速度で減少してゆきました。そんな中、好天に恵まれたこともあってやる気満々の収穫チームが迅速に作業を進めてくれました。連日日没まで働いても音を上げることもなく、週末も休まずに収穫を続けたのです。本来なら4週間はかかる作業が、ほぼ2週間で完了しました。収穫が終わったのは10月20日。
  2006年のビンテージはの秀逸の出来であるといっても決して過言ではありません。この年のワインは2005年の中身の濃さと2004年の繊細さや情熱的な性格をある意味で兼ね備え、ミネラリティがとても上手くでています。

ベストワイン:

フリューリングスプレッツヒェン・リースリング・ベーレンアウスレーゼ/ゴールドカプセル(ゴーミヨ:96ポイント)
ハーレンベルク・リースリング・ベーレンアウスレーゼ(Wine Spectator:96ポイント)
ハーレンベルク・リースリング「グローセスゲヴェクス」(Der Feinschmecker:ドイツリースリング賞)

 

2005年
  2005年の夏は降水量が少なかったこと以外は平年通りで、8月初旬のブドウの生育は順調でした。そして8月中旬以降は、未曾有ともいえる熱く乾燥した青天が続いたのです。スイスでは大雨となっていた頃、私たちの地方では埃が立つほどに乾燥していました。雨が早く降らないかと気をもむ日が続きました。ようやく雨が降ったのは9月10日のこと、降水量は一平米あたり25リットルでした。その後再び乾燥した天気が続き、10月始めにまた約25リットルの雨がありました。そして迎えた収穫期は絶好の天気でした。
  夏が極めて乾燥していたことにより次のような結果につながっています。
  ブドウ内の糖の生成は9月中旬以降比較的ゆっくりとした速度で進行。同時に長い日照時間と高い気温、低い湿度によってブドウの一部ですでに目で見えるほどの収縮/濃縮が早期に始まり、10月初めには引き続き気候が乾燥していたこともあって最高の貴腐状態に入りました。リースリングの香りと味が完全な成熟度に達したのは10月半ばで、その後ブドウの収穫を手早く行いました。成熟状態は1976年のものとかなり似ていると言えます。
  今から振り返ってみると、糖の生成がゆっくりと進行したことがよかったと思います。それがワインのアルコール度が高くなりすぎることを防いだからです。自然に進んだ果汁の濃縮だけでもモスト比重は高く、中には最高水準のものもありました。しかしその反面水分が蒸発したことによる収量の減少にもつながったのです。酸の含有量はほぼ理想的なものでした。
  2005年のワインでは力強さと優雅さが最高の形でひとつに融合しています。酸味も見事に調和しています。常にはっきりと感じられる酸味ですが、いやらしさはまったくありません。つまり真の大物ビンテージたる要件が揃っているわけです。貴腐ワインでこれほど良い年はこれまで一度もありませんでした。

ベストワイン:
ハーレンベルク・リースリング・トロッケンベーレンアウスレーゼ/ゴールドカプセル(ゴーミヨ:99ポイント)
ハーレンベルク・リースリング・トロッケンベーレンアウスレーゼ(Wine Spectator:97ポイント)
ハーレンベルク・リースリング「グローセスゲヴェクス」(ゴーミヨ:92ポイント)

 

2004年
  8月末の生育状況は平年並みでした。品質的に「大物」といえるようなビンテージはこの時点ではほとんど期待できませんでした。しかし9月になると3週間にわたって青天が続き、成長が大きく進みます。10月の第一週も最高の夏日が続いて気温はなんと27℃まで上がりました。こうなるとレベルの高いワインができるチャンス大。ブドウは健康で貴腐はまだほとんど見られない状態でした。
  そこで慎重にリースリングの収穫を始めたのが秋晴れの10月20日のことです。あまりに天気が良かったので、せっかくの太陽光をブドウに吸収させない手はありません。しかし好天がいつまでも続くわけはありません。10月末になると雨が降り、気温はまだ温かいものの霧も出たため、収穫を手早く済ませました。モスト比重は例年になく高いもの(86エクスレ以上)でしたが、酸の含有量は平年並みでした。12月21日の早朝には濃縮度の高いアイスワインを少量収穫することができました。これはまさに最高のクリスマスプレゼントです。
  成熟期間が2004年はとても長かったのでブドウの味と香りが強くなっています。当蔵の収量は平年並み。

ベストワイン:
ハーレンベルク・リースリング・アイスワイン(ゴーミヨ:96ポイント)
フリューリングスプレッツヒェン・リースリング・アウスレーゼ(Wine Spectator:95ポイント)
ハーレンベルク「Lay」・リースリング「グローセスゲヴェクス」(ゴーミヨ:93ポイント)

 

2003年
  2003年といえばドイツ始まって以来ともいえる猛暑だった夏のことを思い出します。ブドウの開花も非常に早く始まりました。1993年以来の早い開花でした。7月初めの時点のブドウの生育は平年よりも3週間早く、7月末にはまるで南国のような気候のおかげですでに成熟が始まったブドウすらあったのです。北に位置するドイツでは信じられないことです。
  毎日毎日真っ青な青空が広がり、太陽がさんさんと降り注ぎ続けました。これほどの高温と乾燥にブドウが耐えられるとは思ってもいませんでした。日照りの影響がはっきりと出たのは傾斜のきつい、土の層が浅い地区だけです。ブドウの木の生命力を維持するために、いくつかの畑には急遽取り寄せた灌水用穴あきホースを張り巡らして対応しましたが、8月末にはやっと待ち焦がれた雨が降り、状況は改善されました。10月初めにブドウの収穫を開始。黄金色に美しく輝く甘いブドウを最高の気象条件のもとで収穫しました。9月初旬に降った雨によっていくらか貴腐が始まり、その後の秋晴れの天気によって完璧な干しぶどう状態となったため、ベーレンアウスレーゼやトロッケンベーレンアウスレーゼの選別も行われました。
  2003年のモスト比重は2001年および2002年よりも高くなったのに対し、酸の含有量は大きく低下しています。総合的にみてこの年のワインは普段よりもいくらか力強いものとなりました。この年の猛暑がワインから伝わってきます。確かにこのビンテージは極めて特殊な年であったといえますが、ワインに秘められた長期にわたる成熟の可能性は十分にあると考えます。少なくともいくつか共通点があるといえる1937年のビンテージを見れば、長い成熟が可能であることがわかります。

ベストワイン:

ハーレンベルク・リースリング・トロッケンベーレンアウスレーゼ(ゴーミヨ:96ポイント)
フリューリングスプレッツヒェン・リースリング・アウスレーゼ/ゴールドカプセル(ゴーミヨ:92ポイント)
ハーレンベルク・リースリング「グローセスゲヴェクス」(ゴーミヨ:90ポイント)

 

2002年
  2002年の秋は天候が不安定だったにもかかわらず品質の高いビンテージを収穫することができたのは風が強かったおかげで、雨後のブドウを風がすぐに乾かしてくれたからです。何事も落ちいて慌ててはいけないのです。雨の合間を有効に利用して一致団結してブドウの収穫にあたりました。もし10月末に雨の降らない時期が2週間続いていたら、2002年はきっと歴史的なビンテージになっていたことでしょう。しかし、少なくとも前年と同じクオリティのブドウが収穫できたのですから不平を言うことはできません。
  そのブドウから作ったワインの専門家による評価も高いのですから。ゴーミヨでは当蔵の2002年ビンテージが「コレクションオブザイヤー」に選ばれました。コレクション最大の目玉はハーレンベルクでとれた傑作アイスワインです。

ベストワイン:
ハーレンベルク・リースリング・アイスワイン/ゴールドカプセル(ゴーミヨ:100ポイント/ベスト貴腐白ワイン)
フリューリングスプレッツヒェン・リースリング・シュペートレーゼ/Rutsch(ゴーミヨ:92ポイント)
ハーレンベルク・リースリング・アウスレーゼ・トロッケン(ゴーミヨ:92ポイント)

 

2001年
  2001年の夏は素晴らしいものでした。7月、8月と青天が続きました。雨の日はあまりありませんでしたが、ブドウの成長に必要な雨量は十分でした。
  9月に入ってからは好天は続かず、湿った肌寒い陽気となって、それまでに膨らんだ期待が一旦はすっかりしぼんでしまいます。しかし安定した高気圧配置の天候により秋晴れの10月となって、ブドウにとっても人間にとっても快適な季節が続きました。その結果ブドウの収穫期は遅くなり(10月18日に収穫開始)ましたが、成熟度が高くすばらしい味と香りのブドウを収穫することができました。11月5日になってようやく収穫は完了し、その時点でも酸の含有量は適度な値となっています。
 気長に待った甲斐があったというものです。とくにアメリカの専門誌による評価が高くなっています。Wine Spectator誌はなんと当蔵のリースリングに7回も90ポイントを超える評価を下しているのです。

ベストワイン:
ハーレンベルク・リースリング・アウスレーゼ(Wine Spectator:97ポイント)
ハーレンベルク・リースリング・アイスワイン(Wine Spectator:96ポイント)
ハーレンベルク・リースリング・アウスレーゼ・トロッケン(ゴーミヨ:92ポイント)

 

2000年
  この年の夏は出だしが強烈で、早くもイースターに始まり、自然界の動植物は爆発的に生長してゆきました。ブドウの開花期がこれほど早く終わったのはまさに記録的なことです。ブドウも完璧なスタートを切ったわけです。ただ滑り出しは良かったものの、その後は夏を通じて春先のような気まぐれな気候が続きました。9月は雨模様で温かかったので一部で早くも腐敗するブドウが出始めましたが、当蔵の畑は有り難いことに傾斜があり乾燥が早いのでそれほどひどいことにはなりませんでした。10月初めのブドウの成熟度は極めて良好で雨のない秋晴れが続くことを期待したものの、残念ながら思い通りにはいきませんでした。秋特有の霧が出たせいで完熟したブドウが乾燥せず、水分の蒸発による濃縮が行われなかったため、ハーレンベルクでベーレンアウスレーゼを選別しようとしましたが成功しませんでした。
  2000年のワインはブドウの生育期間が長かったことから繊細なフルーティさと小技の効いた酸味の調和が特徴です。手作業で丹念にブドウを選別し、質の悪いブドウを取り除いて、丁寧にブドウを加工することがこの年ほど肝要だったことはありません。その成果を見ると努力が報われます。このビンテージ最高のワインは強烈なアイスワインです。

ベストワイン:

ハーレンベルク・リースリング・アイスワイン***(ゴーミヨ:98ポイント/ベスト貴腐白ワイン)
フリューリングスプレッツヒェン・リースリング・アイスワイン(Wine Spectator:95ポイント)
ハーレンベルク・リースリング・アウスレーゼ/ゴールドカプセル(ゴーミヨ:92ポイント)